いざ、FIFAワールドカップへ。
情熱のdof trip in メキシコ!【後編】

さらなる「文化と価値の創造」のためのインプットの場として、例年国内外問わず開催されるdof trip。今回はなんと、ワールドカップ真っ只中のメキシコ・モンテレイへ!
日本のグループリーグ第2戦、チュニジア戦の観戦を通じて世界最大のスポーツの祭典を体験するとともに、現地の文化や暮らしにどっぷりと浸かる濃密な旅。そこでdofメンバーが感じ、学んだことをご紹介します。後編は「モンテレイの街と文化」「モンテレイの食」について!最後まで、どふぞご覧ください。
モンテレイって、知ってましたか?
聞くところによると、あの『地球の歩き方』でも、モンテレイの記載はたった1ページきりだそうです。分厚いあの本で、1ページ。つまり、日本人にとってそれくらい馴染みの薄い街ということです。「メキシコ第2の都市です」と言われても、たぶんピンとこないと思います。

▲ 元製鉄所のフンディドーラ公園
場所は、メキシコ北部・ヌエボ・レオン州の州都。標高540メートル、2,000メートル級の山々にぐるりと囲まれた「山々の街」です。シンボルは、馬の鞍みたいな形をしたセロ・デ・ラ・シージャという岩山。街の真ん中には半分水の枯れたサンタ・カタリナ川の河原が横切っていて、乾いた土地なのだと一目で分かります。
歴史は意外と古く、16世紀末にスペイン人が拓いた街です。旧市街の大聖堂は、建て始めてから完成まで100年近くかかったそうで、そのぶんバロックやら新古典やら、いろんな様式が一枚の壁に同居しています。ただ、モンテレイが本当に大きくなったのは近代に入ってから。アメリカ国境まで車で3時間ほどと、メキシコの大都市ではアメリカに最も近い立地を活かして、古くから対米貿易の玄関口として、そして製鉄の街として発展しました。そのシンボルだった巨大な製鉄所は、いまでは緑あふれるフンディドーラ公園に姿を変え、古い溶鉱炉が博物館として残っています。

▲ 歴史のある建造物が建ち並ぶ旧市街にて

▲ モンテレイ名物カブリート
カラフルな屋台よりも、目に入るのは工場の煙突や倉庫のほう。デンソーもパナソニックも工場を構える、メキシコきっての「産業の首都」です。碁盤の目に整えられた街並みはどこか実直で、名物も子ヤギの丸焼き・カブリートに、週末に一家総出で肉を焼くカルネ・アサダと、とにかく豪快。要するに、暑くて、肉を焼いて、よく働く。堅実で乾いた、大人の街なのです。……というのが、下調べで分かったことでした。実際、モンテレイに到着して初日の街の印象は、まさに「落ち着いた工業の街」でした。
陽気が服を着て歩く街。

ところが、街に出て人と接した瞬間、その第一印象はあっさり溶けました。まず、暑い。気温もそうですが、人の体温が。あたたかい、ではなく、暑いのです。
そして実はモンテレイは日系企業の進出も多くあった地域であるとともに、今回のワールドカップの日本代表の事前キャンプ地。おかげで、訪れた日本人にとってここはもう第二の故郷です。街を歩けば “Japonés!Japonés!” と声がかかり、日本対チュニジアの試合後には、見ず知らずの人が「勝ててよかったな!」「4-0!」と拍手を送ってくれたり、ハグをしてきます。一緒に写真を撮ってくれと、何者でもないぼくらの前に行列までできてしまったり(ちなみに弊社の宇佐見は老若男女問わず爆モテで、まるでトム・クルーズ来日。行く先々で人だかりが絶えませんでした。)
陽気、なんて言葉ではぜんぜん足りません。心を全裸にして話しかけてくる人たち。歌が下手でも歌いたくなり、踊れなくても踊りたくなる。太陽みたいな街でした。


▲ 常に周囲に写真撮影街の人だかりができていたdofのヒューグラントこと宇佐見(左)
朝タコスで、ダンス。

文化という視点に目を移すと、モンテレイはメキシコ北部=「ノルテ」の食文化にどっぷり浸かった街なんだそう。焼いた牛肉を、南部のようにトウモロコシではなく小麦のトルティーヤに挟んで頬張る。小麦のトルティーヤは、国境を挟んだアメリカ南部とも共通する、北部ならではの食文化です。とにかく肉、とにかくタコス。
面白いのは、その熱量が朝から全開なこと。ぼくらが出くわしたのは、とあるタコス屋の朝でした。せっかくメキシコに来たからとdofメンバー一行でローカルで有名なタコス屋へ「朝タコス」をしに向かうと、その店には親子連れがぞろぞろと集まってきて、店の片隅ではギターとアコーディオンの生演奏。アコーディオンのよく効いた、ノルテーニョと呼ばれる北部の音楽です。すると誰からともなく歌が始まり、そのうち立ち上がって踊り出す。念のためもう一度言っておきますが、朝です。老いも若きも、タコス片手に、朝から歌って踊っているのです。

日本の朝といえば、無言でコーヒーをすすり、スマホを眺めるあの静かな時間。それがこちらでは、合唱とダンスの時間になっている。同じ「朝」でこうも違うのかと驚かされます。……が、呆然としていられたのも束の間。ここでもやはり、日本人であることと例の宇佐見効果で、ぼくらは見事に輪の中へ引きずり込まれました。気づけば一緒に歌い、踊り、写真に収まり、朝のタコス屋はちょっとしたどんちゃん騒ぎに。この街では、どうやら観客客のままではいさせてもらえないようです。
思えば、モンテレイには目立った観光名所がありません。『地球の歩き方』が1ページで片づけるのも、無理はない。
それでも、この街のことはたぶん忘れません。彼らは、なんでもない日常から価値をつくり出すのが、やたらとうまいのです。ただのタコス屋の朝を、祭りに変えてしまうくらい。
「文化と価値の創造」それがdofのミッションですが、モンテレイの人たちはそれを、アコーディオン一台とタコス片手に、朝からこともなげにやってのけていました。名所とは、あるものではなく、人の日常がつくるもの。そう教わった気がします。山々の街なんて冷静な異名は、返上でいいと思います。モンテレイは、陽気が服を着て歩いている街でした。
肉料理の王国、モンテレイ
再びバトンが戻ってきました、宇佐見です。
今度はモンテレイの「食」についてレポートさせていただきます。とは言っても、朝タコス文化についてはその空気感も含めてたっぷりと野崎から紹介がありましたので、ぼくからは夜のフードシーンを少々。朝タコスをモンテレイの「普段着」だとするなら、ちょっとした「よそ行き」の食事を紹介します。

結論から言うと、めちゃくちゃ美味いです、モンテレイの食事。なんと言っても食材の火入れが巧い。そしてサルサ文化の影響か、過剰な味付けもしないから日本人の口に合う。お店の人たちもすごく陽気で親切。しかも美味しいお店だけど席数が多くて入りやすい!
そして「肉料理文化」の街、ということなので(さすがに毎食肉はなァ…)という本音もあり、今回は少し異なる表情をもった3つのお店を訪問しました。

▲ Cuernoの店内と料理
まずは、到着した当日、深夜にヘトヘトになりながらUberで辿り着いたお店。その名もCuerno(クエルノ)。モンテレイの表参道と言われる(?)サンペドロ・ガルサ・ガルシアというエリアにある肉料理のお店です。到着して2時間程度。期待もそこそこに扉を開けるなり、モダンできらびやかなウェイティングバーが現れ、本当に表参道のオシャレストランのよう。食事も素材をストレートに、シンプルに仕上げたものが多く、期待を圧倒的に上回るクオリティでした。モンテレイの食、侮れん!

▲ Mar del Surのタイインスパイアメキシカン
続いて今回の変わり種。魚料理も食べたいナ、ということで選んだ「タイ料理インスパイアメキシカン」Mar del Sur(マールデルスル)。正直辛いものがからっきしダメなぼくは、メキシカン(辛い)にタイ(辛い)を掛け合わせるという泣きっ面に蜂確定の組み合わせに恐れ慄いていました。
しかし、蓋を開けてみるとまたも良い意味で予想を裏切られたのです、、、まず、辛くない。そして、旨い。シンプルなCuernoと比較すると、より技巧派な料理が多いお店でしたが、エスニックの食材やスパイスがとても優しくメキシカンに馴染んでいて素晴らしかったです。何よりジャスミンライスや芋を使った各料理の“付け合わせ”が、これまた主役級に美味しいのが印象的でした。内陸のモンテレイですが、魚料理もしっかり美味しかったです。

▲ サポーターいっぱいのEl Rey del Cabrito
最後に紹介するのは、モンテレイの伝統料理「カブリート」の老舗、El Rey del Cabrito(エルレイデルカブリート)。カブリートとは、小山羊を丸ごと炭火焼きにしたモンテレイのご馳走で、その一丁目一番地とも言えるのがこのお店。創業から50年ほどが経過しており、観光客は必ず訪れるそうですが、地元の人にも愛されています。
試合観戦前、店内はサポーターだらけ。7人でカブリートの「半身」を頼んだところ、一瞬でペロリとなくなってしまい、結局まるまる一頭分をいただきました。臭みもほとんどなく、カリッとした皮の食感とホロホロのお肉。トルティーヤ&サルサソースとも相性抜群でした。さすが老舗。今回の3店舗でいうと、最もローカルな雰囲気が楽しめます。
肉料理文化のモンテレイということで、胃もたれ覚悟、食べ飽きも覚悟で臨みましたが、全くの杞憂でした。むしろ、「モダン×シンプル」「モダン×テクニカル」「トラディショナル×シンプル」な3つのお店を体験したことで、「肉料理文化だからこそ」のカテゴリ内の多様性と深みを感じることができました。モンテレイを訪れる際には、ぜひご賞味あれ!
予約力が世界をひらく

▲ 現地での瞬発予約力も重要!ルチャ・リブレ観戦
dofでは「文化と価値の創造」をミッションに掲げています。そのためにはメンバーによる継続的なインプットが欠かせません。だからこそ「文化と価値の体験」にも重きをおいており、こうした研修旅行の機会だけでなく、日本国内でも毎月のように多様な文化体験の場をつくっています。
そうした取り組みの中で大切にしているキーワードは「予約力」。思えば今回のワールドカップ観戦自体も、旅程も、食も、すべては「興味を持って予約してみる」ことが始まりです。もっと言えば、日々の仕事の打ち合わせや会食も予約。つまりそう、ぼくたちは日々無数の予約を積み重ねながら生きているのです。それは有限な時間というリソースを、より良い未来のためにさまざまなモノゴトに振り分ける活動、とも言えます。だからこそ、予約に熟達することは、さらなる文化と価値の創造につながり、人生をもっと豊かにしてくれる!ということなのです。
今回のdof tripでは、さまざまな貴重な経験をさせてもらい、改めて人生における「予約力」の大切さを感じる機会となりました。この記事を読んでくれている「dofに興味アリ!」というみなさま、ぜひ今からでも「予約」をしまくっていただき、いずれ仲間になった暁には、まだ見ぬ世界へdofメンバーを導いていただけたらと願っております。
本気で遊ぶ、という経営判断。
社員みんなでメキシコまで行って、FIFAワールドカップ観戦するなんて、気の狂ったおかしな会社だと思われるかもしれません。でも毎年恒例のdofトリップは、dofという会社を成立させ、成長させ続ける上で最大の全社員イベントであり、経営における最重要の投資です。
dofがミッションとして掲げる「文化と価値の創造」を実現するためには、良質なインプットが不可欠です。全社員一緒に足を運び、触れて、驚いて、吸収して、糧にする。この一連のプロセスにこそ意味があります。
日常を離れ、異文化に「一緒に」ディープダイブすることは、強いチームビルディングにも繋がります。日々さまざまなプロジェクトに携わる中で、逃げ出したくなるような難題や突発的なトラブルは避けられません。サッカーでも、苦しい時間帯に前へ走れるかどうかは、隣の選手を信じられるかどうかで決まります。強い絆で繋がり、背中を預けられる仲間とであれば、どんな困難も乗り越えられる。これまでもファミリーとしての「契り」を強める仕掛けづくりを心がけてきましたが、その手応えを改めて実感しています。
実は今回、ダラスの第1戦から入ったボクはフライトがキャンセルになり、合流が1日以上遅れて、到着したのは試合の直前でした。記事の写真にボクがほとんど写っていないのは、そういう事情です(決して仲間はずれになっているのではありません)。ただ、着いた先で見たのは、ボクがいなくても完璧に出来上がっているチームでした。悔しいような、うれしいような。まあ、うれしい方の圧勝です。
仕事も大事。プライベートも大事。家族も大事。どれかを削ってどれかを立てるのではなく、全部やる。人生を思い切り謳歌して、その余剰を周りにGiveしまくる。dof tripは、そのための大切な装置です。
今年も大団円で終えられたこと、心からうれしく思っています。一緒に旅をしてくれたメンバー、迎えてくれたモンテレイのみなさん、そして日本代表に、ありがどふございます。
昨年のLAトリップの記事はこちら
