インタビュー
interview
手を取り合って共に
次の常識をつくる
手を取り合って共に
次の常識をつくる

「特打」や「驚速」シリーズなどの画期的なPCソフトを販売し、さらにはAI通訳機「ポケトーク」や360°会議室用webカメラ「Meeting Owl(ミーティングオウル)」など、社会のニーズに先駆けた数々の大ヒット製品を世に送り出しているソースネクスト株式会社。
明石家さんまさんをイメージキャラクターに起用した「ポケトーク」をはじめとした様々なコミュニケーション戦略と展開にdofが関わり、深く、そして楽しく伴走をさせていただいています。
今回はソースネクストさんより、松田憲幸代表取締役会長兼CEO、田岡通子常務執行役員、柳沼友香執行役員にご登場いただき、dof代表の齋藤太郎と川名孝幸(コミュニケーション・デザイナー)とともに、笑いの絶えない、ハッピーな座談会を開催しました。
「特打」や「驚速」シリーズなどの画期的なPCソフトを販売し、さらにはAI通訳機「ポケトーク」や360°会議室用webカメラ「Meeting Owl(ミーティングオウル)」など、社会のニーズに先駆けた数々の大ヒット製品を世に送り出しているソースネクスト株式会社。
明石家さんまさんをイメージキャラクターに起用した「ポケトーク」をはじめとした様々なコミュニケーション戦略と展開にdofが関わり、深く、そして楽しく伴走をさせていただいています。
今回はソースネクストさんより、松田憲幸代表取締役会長兼CEO、田岡通子常務執行役員、柳沼友香執行役員にご登場いただき、dof代表の齋藤太郎と川名孝幸(コミュニケーション・デザイナー)とともに、笑いの絶えない、ハッピーな座談会を開催しました。
「ちょっと怖そう?」
という印象から始まった親しい関係
「ちょっと怖そう?」
という印象から始まった親しい関係

▲ (左から)ソースネクスト株式会社の田岡通子常務執行役員、松田憲幸代表取締役会長兼CEO、柳沼友香執行役員、dofの川名孝幸と代表の齋藤太郎
▲ (左から)ソースネクスト株式会社の田岡通子常務執行役員、松田憲幸代表取締役会長兼CEO、柳沼友香執行役員、dofの川名孝幸と代表の齋藤太郎
――当初、ソースネクストさんから見たdofの印象とはどのようなものでしたか?
――松田さん
新経済連盟という、ITなどの技術を活用して新しい産業を創造する企業が参加する経済団体があるのですが、そこでクリエイティブ・ディレクターを務めているのが太郎さんでした。太郎さんとは、当時まだ知り合いではなかったのですが、代表理事の三木谷さん(楽天代表)にも歯に衣着せずに意見をおっしゃられてですごい方だな、というのと、少し怖そうな方という第一印象でした。といっても飾らないストレートな表現をしているのが伝わって、好印象でした。
――齋藤
えっ、怖い印象でしたか(笑)。確か松田さんと初めてお話ししたのは、新経済連盟の視察でインドに行ったときだったかと。移動中に隣の席になったりして、ソースネクストの事業のお話や、創業時の話など聞かせて頂いた記憶があります。その後、別の会で「ポケトーク」の実物を見せて頂きましたね。
――松田さん
はい、太郎さんは英語が話せるので、その良さをすぐに理解してくださいました。その後には自ら購入していろんな方に配っていただき、そのおかげで著名人やTV局などですごく話題になりました。
――齋藤
純粋に翻訳のすごさと、その精度の高さに驚かされたんですよ。これはいいって、特に英語を苦手としている人には。
――松田さん
そんなことがあり、後日ラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2018でお会いしたときに、太郎さんに「ポケトーク」の広告やCMを依頼することになりました。
――齋藤
そうです。しかし、どうしてdofに依頼して下さったんでしょうか?
内容も熱意も【圧巻】なプレゼンに驚きと感動
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――「ポケトーク」の広告をdofに依頼したその理由とは?
――松田さん
dofさんに頼んだ理由は、ただただ、直感です。CESの現地でお会いした瞬間に、太郎さんに相談すべきだろうって感じました。ソースネクストとしても勝負をかける時期で、何かピンときたのかもしれません。
――齋藤
驚きましたけど、頼って頂けたのはうれしかったですよ。「何がなんでも、なんとかしたい、ご期待に応えたい」と思ったのを覚えています。
――松田さん
そうです。太郎さんに「やります」と即答いただいたのですが、その後3週間くらいまったく音沙汰が無くて…。あれ?忘れてるのかな?と思っていたらある時突然、「できました!」と、ものすごい熱量の提案をいただきました。
――川名
齋藤はCESから戻るとすぐにプランナー、アート・ディレクター、デザイナーなどを集めて「ポケトーク」のクリエイティブ・チームをつくりました。僕もその一員でしたが、そこからものすごく濃い日々がはじまりました…(笑)。齋藤が「ポケトーク」がいかに凄いか熱弁をふるい、我々も実際に使ってその凄さを実感しているのに、「リアクションが薄いな」とかいろいろ言われながら、とにかくみんなでこの製品がどんなシーンで使われるのかを考えに考えたんです。
――齋藤
そうそう。まだポケトークがいつ、どんなシーンで一番活躍する製品なのかが見えていない状況だったんだけど、初めて世の中に出た時に、みんなに使ってみたい、欲しい!と思ってもらう必要があった。そのためには、便益がわかりやすい、リアリティのある内容にしなければならない。例えばドラえもんを登場させて、「ほんやくコンニャク」みたいに見せる企画も考えたけど、今までなかった製品なだけに、そういった見せかただとマンガのように見えて、現実にある製品だと思ってもらえないかもしれない。そう考えて企画をボツにしたこともありました。(※その後「ほんやくコンニャク」モデルのポケトークも発売されています)
クライアントにとって大きな提案であるからこそ、チームメンバーでポケトークを実際に使ったりしながら、徹底的に色んなパターンを考えました。

――松田さん
皆さんが本当に、ポケトークについて真剣に考えて下さったことをプレゼンから感じました。
――川名
田岡さんが弊社に足を運び、オリエンをして下さった際のやりとりもとても印象的でした。「ポケトーク」について、マイナスをプラスにするというよりも、プラスのことをさらにプラスに、つまり楽しいことをさらに楽しく、楽しさを増幅させていく役割を大切に考えているといったことをおっしゃられていて。
――田岡さん
そうでした。私はもちろん、社内でも答えというものはなかったのですが、“困ったことをなくす”ことはもちろんのこと、それよりも“もっと楽しい世界が広がる”ということを大切にしたい、といったお話をしたように思います。小さな問題や課題を解決していくというよりも、世界ともっと話をしてもっと通じ合おうよという目線ですね。
――齋藤
それはとても重要だと思いましたね。「ポケトーク」を通して、純粋にみんなと話をすることが楽しいっていう。それでGoogleのググるみたいに『ポケトークしよう』って動詞にしたいと思ったんです。それを企画のコアにして提案したんです。
――松田さん
本当に驚きの提案でした。感動と言ってもいいくらい。提案の物量もすごくて、とてもインパクトがありました。
―田岡さん
提案の時点で内容もデザインもぜんぶ仕上がっていて、驚きでした。
――松田さん
イメージキャラクターは明石家さんまさんと野球の大谷翔平選手のご提案をいただきましたが、想像もしていなかった明石家さんまさんという名前を挙げられて、まさにドンピシャのイメージだと直感しました。キャスティングは大変だったみたいですが、太郎さんが企画説明のお手紙を書いて下さってなんとか実現できました。
――齋藤
いえいえ、さんまさんの起用を即決した松田さんがすごいと思いましたよ。
――田岡さん
さんまさんが、グローバルの場でも、いつものあのさんまさんのままでおしゃべりをして、周りの人を笑わせられる、というその提案の思想に共感しました。実は同時に他社さんからも企画の提案を頂いていたのですが、世界を楽しく変えるという自分たちが求めていたところにdofさんの提案がすごくはまっていたどころか、さらに突きつめていた提案で、全員即決で賛成でした。
伝わらなくては意味がない
引き算の美学を体現する
伝わらなくては意味がない
引き算の美学を体現する

――「ポケトーク」での成功はさらに「ミーティング オウル」へと続いていく
――松田さん
「ミーティング オウル」のプロジェクトのスタートは、新型コロナウィルスという言葉がちょうど出始めたときで、かなり早い段階からdofさんとブレストを重ねて、さまざまなアイデアを出し合いました。その時間がとても楽しかったです。
――川名
元々「ポケトーク」の製品企画を担当されていた柳沼さんが、マーケティングの分野も担い「ミーティング オウル」のご担当となりました。360°対応のカメラ、マイク、スピーカーを搭載し、AIが話者に自動でフォーカスするなどの多様な機能があり、このときもチームで一体となって、実際に製品を使ってみながらどのように表現していくかという議論を重ねました。
――齋藤
最終的に、お笑いトリオ東京03の角田晃広さんが登場し、機能をしっかり伝えながらプッと笑える、ユニークなCMに仕上がりましたね。
――柳沼さん
おっしゃる通り、とてもユニークな内容になりました。まずコンテを見たときにびっくりしたことを覚えています。視点や発想が独特で、しかも分かりやすさもある面白おかしい内容で、自分も含めて多くの人が共感できると思います。
――川名
コンパクト、高性能、高機能とか言いたいことが本当はいっぱいあるのに、それらがとってもシンプルかつとても強く表現できたと思います。松田さん、田岡さん、柳沼さんに限らず、ソースネクストさん全体に想いやメッセージは届かなくては意味がないというマインドがセットされています。その引き算の美学のようなものが体現できたというか。
――柳沼さん
誰に届けたいのかという、メッセージがとてもはっきりしていました。アイデアやご提案の内容が、ソースネクストにも寄り添っていますし、何よりもこの製品を使用いただくお客さまをしっかりと見て寄り添って下さっていると感じました。
懐に入って話ができる安心感が心地いい
懐に入って話ができる安心感が心地いい

――齋藤
松田さんのことを、経営者としても、人生の先輩としても、とても尊敬しています。どのようにビジネスを捉えるか、会社という組織をどう成長させるか、どうカルチャーをつくるのかなど、とにかく松田さんに近づきたいと学ばせてもらっています。
――松田さんの良いところを実際にマネて取り入れたこともあるとか?
――齋藤
そうなんです。たくさんあります。僕は年功序列が重視された時代の電通で育ったのですが、「年次は海よりも深し」なんて言葉があるくらい強い上下関係がありました。でもソースネクストさんは社内で誰もが“さん付け”で呼び合い、とても空気感がフラットで風通しがいいんです。会社の成長や新陳代謝にとても効果があると気づいて、会社を立ち上げて14年が経過していましたが、2年ほど前にdofも“さん付け”カルチャーに変えました。
――川名
僕も一人の社員として、環境が変わったと実感します。働きやすい環境づくりとして重要だと思いました。
また僕が松田さんの行動で感動したのは、全社員の誕生日に必ず手書きの誕生日カードを贈っていらっしゃって、社員だけでなく私のような外部の関係者にまで誕生日カードをくださったこと。まだ経験の浅い私にまであたたかい想いのこもったメッセージをくださり、今もその手紙は宝物にしています。
――齋藤
それもマネし始めています(笑)。
――一同
爆笑
――川名
ソースネクストさんと仕事をしていると、クライアントと受託会社という関係ではなく、一つの同じチームだって感じられるんです。オリエンを受けて提案をして…というありきたりの流れではなくって、一緒に考えて、一緒に意見を出し合って、一緒に決定していく…みたいな。
――柳沼さん
私たちもdofさんと同じように感じています。テーブルを挟んで対等に話をするというよりもむしろ、テーブルのこちら側に来てもらっているように感じます。
――田岡さん
そんな距離の近さや信頼感がありながら、毎回の提案がいつも私たちの想像を超えてくるのがいいです。
――齋藤
それは松田さんはじめ、ソースネクストさん全体でクリエイティブに対するリスペクトがすごくあるから実現されるのだとも思います。
――松田さん
クリエイティブの力は神だと思っていて、それは社内でもよく話しています。パッケージを変えて売上げが良い方向に激変する事実も多く見てきました。いくら中身が良くても、伝わらなくては意味がないということだと思います。クリエイティブやパートナーという意味で最近特に思うことがあるのですが、川名さん、この数年ですごく成長していらっしゃると感じています。
――川名
それはすごく嬉しいです(涙)。入社4年目で「ポケトーク」を担当させていただいたのですが、企画の段階からアウトプットまで関わるプロジェクトは初めてのことで、実はいつもドキドキで…。
――田岡さん
私も久々にお会いして、川名さんがとても成長というか、進化しているように感じました。
――松田さん
たまに太郎さんがいらっしゃらないミーティングがありますが、いつもこちらの気持ちを汲んでくれるご提案に感動します。太郎さんの育てかたが素晴らしいのではないかと思います。
――川名
今の自分があるのは、本当にソースネクストさんのおかげです。齋藤からはずっとクライアントはお客様じゃなくパートナーであり、同じ目線で、と言われていて、それを皆さんと共に実行することができたように思います。「ポケトーク」も、さてどうしようというところから一緒にスタートして、今では90万台売れ、100万台突破も、もうすぐです。いつも信頼して下さるから、僕も自信を持って一生懸命取り組めるんです。

――松田さん
太郎さんも川名さんも、dofさんは皆さん、直球で熱いところがあります。
――柳沼さん
さらに、私たちと見ているゴールが、いつも同じです。一般的にクライアントと代理店や制作会社というと、まずクライアントが納得するものをつくる、そして担当者は上司が納得するものを上げる…という具合に見ている方向がバラバラになりがちですが、dofさんは違います。意見や考え方の違いはあっても、見ているゴールは常に私たちと一緒です。
――田岡さん
代表の太郎さん含め、皆さん知ったかぶりをしないところも気持ちいい。分からないことは分からない、って何でも質問攻めにしてくださって、それによって曖昧だったことの解像度が上がっていく。懐に入ってもらって話ができる安心感が心地いいです。
さらに手を取り合って共に走る
本番はこれから
さらに手を取り合って共に走る
本番はこれから

――これからのソースネクストとdofはどうなる?
――松田さん
ソースネクストの社名は「We Source what’s next」つまり「次の常識をつくる」から来ています。「ポケトーク」をはじめ、これからさまざまな製品が生まれ進化していきます。dofさんとは製品が世に出る前の段階から、ディスカッションやブレストを一緒に行っていますが、それだけ重要なパートナーというか、同じチームだと思っています。本番はまだまだこれからだと思っています。
――齋藤
我々はソースネクストさんのファンでもあり松田さんのファンでもある。皆さんが川名の成長を喜んで下さったように、僕らもソースネクストの進化や成長が嬉しいし、また伴走できることがとにかく楽しくて幸せなんです。これからもどうお役に立っていけるのか考えていきます。また個人的には、松田さんの住むアメリカに近い未来、居を構えようかと模索中です。それほどこれからも公私にわたって伴走させていただきたいと思っていますよ。
――松田さん
これまでもdofの皆さんやそのご家族にも遊びに来ていただいていますが、太郎さんが近所に来てくれたら嬉しいです。

――川名
僕もこれからもソースネクストさんのご期待にさらに応えていきます。最近も田岡さんや柳沼さんとの打合せで感じたことがあるのですが、いつも主語が自分ではなく、“お客さんが”なんですよね。改めて自分でもそこを意識し直して、引き続き懸命に頑張っていこうと思います。宜しくお願い致します。
――柳沼さん
こちらこそお願い致します。これからも一緒になって、お客さまに向き合っていきたいです。
――田岡さん
はい、ソースネクストでも顧客目線を常に大事にしているので、それぞれの立場でお客さんが何を感じどう捉えるかというのを、これからもdofさんと力を合わせて突き詰めていきたいです。
――本日はありがとうございました
――一同
ありがとうございました!
ソースネクスト株式会社
https://www.sourcenext.com/

取材・構成・文 西原真志(株式会社ライター)
撮影 sono
編集 徳間書店
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> RECRUIT
座談会参加メンバー
座談会参加メンバー

ソースネクスト株式会社 代表取締役会長兼CEO
松田憲幸 様

ソースネクスト株式会社 常務執行役員
田岡通子 様

ソースネクスト株式会社 執行役員
柳沼友香 様

株式会社dof 代表取締役 コミュニケーション・デザイナー
齋藤太郎

株式会社dof コミュニケーション・デザイナー
川名孝幸

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