タクシーの移動時間を豊かに。
新たなマスメディアづくりへの挑戦。
タクシーの移動時間を豊かに。
新たなマスメディアづくりへの挑戦。
「どうする?GOする!」のCMでお馴染みのタクシーアプリ「GO」のコミュニケーションデザインを手がけるdof。実は、「GO」タクシーのサイネージメディア「TOKYO PRIME」のリブランディングにも携わってます。タクシー内で流れる新番組「ひみつのPRIME」は、4月1日に放映開始され、長澤まさみさん、石原さとみさん、竹中直人さん、浜辺美波さんといった豪華なゲストを迎えました。
今回のdof talkでは、「TOKYO PRIME」を運営する株式会社IRIS代表である眞井卓弥さんとMedia Planning Group Manager明石圭祐さん、そして、dofから執行役員工藤、野崎、石井岳、番組の監督を務めたTYO MONSTERの木下健太郎さんに、メディアのリブランディングから、企画、ユニークな公式キャラクターの誕生、今後の展望について語ってもらいました。どふぞ、ご覧ください。
「どうする?GOする!」のCMでお馴染みのタクシーアプリ「GO」のコミュニケーションデザインを手がけるdof。実は、「GO」タクシーのサイネージメディア「TOKYO PRIME」のリブランディングにも携わってます。タクシー内で流れる新番組「ひみつのPRIME」は、4月1日に放映開始され、長澤まさみさん、石原さとみさん、竹中直人さん、浜辺美波さんといった豪華なゲストを迎えました。
今回のdof talkでは、「TOKYO PRIME」を運営する株式会社IRIS代表である眞井卓弥さんとMedia Planning Group Manager明石圭祐さん、そして、dofから執行役員工藤、野崎、石井岳、番組の監督を務めたTYO MONSTERの木下健太郎さんに、メディアのリブランディングから、企画、ユニークな公式キャラクターの誕生、今後の展望について語ってもらいました。どふぞ、ご覧ください。
「ひみつのPRIME」とは、メインキャラクターである「ラヴィさん」とゲストがお届けする1分間の「ナイショ話情報番組」。月毎にゲストが替わり、いま気になっている、人には教えたくなかったモノ‧コトについてこっそり教え合い、いいオトナになるヒントをお届けする番組です。
乗客に寄り添うメディアへ。
リブランディングの舞台裏
ー長澤まさみさんを初回のゲストにお迎えし、4月1日に「ひみつのPRIME」が初めて放映されましたが、メディアのリブランディングはいつから始まったのですか。
ー眞井さん
ちょうど1年前ですかね。
GO Inc.とdofさんの関係性もあるなかで、タクシーの乗車体験についてお話させていただくことが何度かあり、それをきっかけとして「あの空間を、もっとより良いものにできるんじゃないか」と思うに至りました。
当初、「タクシー広告」と言われるように広告枠にのみ意識が向いていて、見てくださっているユーザーの視点を強く持てていなかったんですよね。今回dofさんにご相談をする中で、メディアとしての存在意義を考え直していきました。
ー工藤
広告も大好きなんですが、前職でNewsPicksさんと一緒にやった映像事業がキッカケで、メディアづくり、コンテンツづくりにも携わってきました。後部座席のより良い未来を考えると、広告の話よりまずは、メディアそのものの話。あるいはメディアとして観たくてたまらない!をつくる番組づくりこそ、必須だろうと考えて、眞井さんたちにぶつけさせて頂きました。
ー石井岳
私は、前職でテレビ朝日系列を担当し、コンテンツ開発から広告セールスまでの経験をしていました。今回眞井さんとお話していく中で、ターゲットや時間帯に応じてメディアを売るだけでなく、視聴コンテンツが広告の価値を向上させるような施策を考えていましたね。
ータクシーという特別な空間には、他のメディアにはない特長があると思いますが、どう感じていますか?
ー眞井さん
観るメディアが分かれている現代において、数少ない、趣味趣向問わず、多くの方々に、観て頂くチャンスがあるメディアだと思っています。
ー明石さん
はい。良くも悪くも、現代では稀な強制視聴メディアということです。
視聴者のみなさんに伝えたいことをお届けしやすい一方で、表現の仕方によっては嫌われてしまうリスクも。
「見てもらえるメディア」や「つい見てしまうメディア」になるためには、伝え方を工夫することが必要です。
今回のリブランディンングは、そういった伝え方を工夫する挑戦でもあります。
ー工藤
「TOKYO PRIME」は、乗客月間リーチが3500万。
テレビはじめ、マスメディアが苦しい今、これはすごい数字です。
このお話をいただいて、ぼくは「令和のお茶の間」がつくれないか?と夢想しました。能動的に動けば自分がほしい情報がキャッチできてしまう現代。素晴らしい一方で、一歩間違うと、自分の趣味趣向にがんじがらめになって、新しい情報との出会いが不足しがちです。
新しいTOKYO PRIMEは、上質で新しい情報との出会い、「セレンディピティ」がある場であってほしい。
古き良きテレビが果たした役割を、現代はタクシーメディアが担うのかもしれない。コンセプトをねりあげながら、ワクワクが高まりました。
ー明石さん
テレビで、思いがけない番組や芸能人に出会えるように、タクシーも同じように予想外の発見や出会いがあると思っています。
そういう体験を、タクシーで実現したいですね。
大人の空間を創造する
「まだ見ぬPRIMEに出会える18分」
ーそんな中、dofメンバーと「タクシーの空間から体験を変えていく」という方向性で議論を進める中で、最初にどのような企画が浮かび上がりましたか。
ー野崎
コンセプトを考える前に、どんな空間にしようかをみなさんと議論しました。
議論の中で、タクシーに乗っている時間は特殊だということに気づいて。自宅やオフィスとは違ってタクシーに乗っている10分や20分は、
自分が切り替わる時間で、無駄なことやどうでもいいことを閃く時間。
人の想像力がひらくひと時に、ちょっと気持ちが前を向くようなセレンディピティを届けたいと思いました。
そこから、「まだ見ぬPRIMEに出会える18分」というコンセプトが生まれましたね。
※18分=タクシーの平均乗車時間
ー石井岳
そんなコンセプトの中、制作を進めるにあたり工藤が元々ご縁のあった木下さんにご連絡をしましたよね。
ー工藤
はい。単に企画づくりだけではなくて、その先の世界観から詳細な台本、撮影アングルに至るまで、一緒につくっていくスタイルの方とご一緒したい。しかもドキュメンタルな映像、その場の空気をどう閉じ込めるか。これは難しいぞ・・・。となりまして、以前、YAMAPのプロジェクトでご一緒した木下さんの顔がうかび、もう木下さんしかいない!と思い、「新時代のお茶ノ間番組を作りましょう」とオファーさせていただきました。YouTubeの「THE FIRST TAKE」を手掛けられていらっしゃるので、その知見も十二分にいただきたい思いで。
ー木下さん
そうでしたね、覚えています。「YouTubeではない第3メディアをタクシーサイネージで作りましょう」とご連絡いただいて、
まさに、そこは盲点だったな、と感じました。
そこから、工藤さんと話を詰めていく中ですぐ目指したい世界観が一致したので後はただその方向に突き進むだけでした。
ー工藤
木下さん、ラフの段階から僕らがイメージしていた大人の空間を体現してくれましたね。
ーゲストの隣にいる、ユニークなキャラクターラヴィさんはどのようなきっかけで誕生しましたか?
ー眞井さん
どのタイミングで、ラヴィさんが誕生したのか我々も気になっていました(笑)
ー野崎
最初は、明石さんから「IPが欲しいんですよね」というイメージを聞いていました。
タクシーにのる人は基本は“オトナ”。気になるオトナの秘密の会話を盗み聴きできるようなコンテンツが、乗車中の発想転換にはいいんじゃないかとみんなで考えていまして。そうすると、IPはホストとして会話の聴き手がよさそうだし、「耳に特徴があるうさぎのキャラクターがいいかも」と思っていました。
ただうさぎはありがちなキャラだけに、個性を持たせる一工夫が必要で。たとえば老舗のスナックのママのように大人の雰囲気で話を聴いてくれるキャラはどうかなと。
実はいまのラヴィさんの原型は、企画プレゼンの直前に木下さんに色んなキーワードや設定、参考画像をお渡しして、急遽絵に起こしてもらったものでした。
突貫でつくったキャラクターだったためその後色んな代案も提案したのですが、みなさん初案のラヴィさんを一番気に入っていただけたみたいでして (笑)
ー明石さん
他のキャラクターも色々見させていただきましたが、ラヴィさんしかいない!と思いました。ただただ、ラヴィさんが好きなんですよ (笑)
ー眞井さん
社内でも、ラヴィさんを見せた時の反応が一番よかったです(笑)
ー工藤
気に入っていただけて嬉しいです。コンテンツの戦略を考えると、ただ単に豪華なゲストを出演させて魔法をかけるようなことにしたくなくて、
だから、ゲストの隣に洗練された雰囲気のあるキャラクターを作りたいと考えていて、特別なものを用意したかったんですよね。
ーその空間の心地よさは、ラヴィさんだけでなくビジュアルやコンテンツ作りにも影響していくと思いますが、制作に関しては、質問の仕方や撮影、編集手法など工夫されたポイントはありますか。
ー木下さん
大人向けの情報番組なのに、1分間で収めるというのは難しかったです。
情報がギャーギャー叫ばれているような一方的なものではなく、
少し沈んだ感じ、まるで盗み聞きしてしまったかのような絶妙な距離感を作り出していったのがポイントですね。
ラヴィさんの声を担当しているMEGUMIさんの低い声も相まって、音の静けさや、落ち着いたスナックのような雰囲気が表現できているかと思います。
また、初回で長澤まさみさんに行きつけの焼き鳥を聞いたところ、「そんな末端まで行っているの?東京の」とラヴィさんが言っていて、店名を敢えて言わずに余白を残すことで、「東京の末端まで行って、行きつけを探す大人ってカッコいいな」と思って大人の気づきを、ちょいちょい情報で与えられるように工夫をしています。
ー眞井さん
実際に動画が上がってきた時に、自分の気持ちが入りすぎているかもしれませんが、いいものが出来上がった!これだ!としか思わなかったです(笑)今も月毎にゲストが替わっていますが、SNSもいい反応で溢れていているのが、嬉しいですよね。
初めて視聴者にとって、メディアのコンテンツを評価していただいた気がして、タクシーの乗車体験を向上するという意味でも素晴らしいスタートが切ることができたなと感じています。
ー明石さん
よかったですよね。ゲストだけでメディアがブランディングされ、
「あの人のメディアだよね」と思われるのは避けたかったんですよね。
今回のリブランディングで、ラヴィさん含めてより愛されるメディアにしたいと思っています。
ー野崎
ネットの反応を見ても、色んな友人からもらう「見たよ!」の感想を聞いても、本当に女性から評判が良いですね。
ゲストとラヴィさんとの掛け合いをみていると、素敵な大人たちがぶっちゃけ話をしている会話のリアリティがありますよね。これまで散々スナックに通い倒した時間が「ひみつのPRIME」に活きたなと感じます(笑)
ー明石さん
女性にいいリアクションもあった経緯から、資生堂さんとコラボも始まったりと、広告をする場としても良いスタートが切れたんじゃないかなと思います。
狙い通りのリアクションがあると、気持ちいいです。「ひみつのPRIME」の続きを見たいがためにGOを選ぶ、というSNSコメントも見られているのでそれをもっと大きくしていきたいです。
「ひみつのPRIME」
強く愛されるメディアへの挑戦
ー最後にお一人ずつ、今後の方針や取り組みについてお話していただけませんか。
ー工藤
強くて、太いメディアになっていきたいですね。
認知度を高めたい時に新商品をバーンって紹介する。それも広告のあるべき姿のひとつではあるのですが、すべてがそれじゃつまらない。ロングセラーブランドが、ずっと愛され続けるためには、継続的にリーチする環境をつくるのも大事。以前は、それをTVのタイム枠が担っていたと思います。
たとえば、そういうロングセラーブランドが、出稿したいと思える場所。そんな場を目指したいです。
デジタルやSNSで、コンテンツ接触の分断が進む中、誰もが気になってくれる、愛してくれる。とっても難しいチャレンジですが、全身全霊で挑んでいきたいです。
ー石井岳
タクシーは映画館のような、視聴者に見ていただけている空間を目指していますので、
クリエイターのみなさんがこだわり抜いて作った映像を披露する場としても適しているなと思っています。
本気でこだわった質の高い映像を視聴者に届けることは、タクシー空間のクオリティも高まり、さらに良い乗車体験を提供できるのではないか、と考えています。
ー木下さん
本当にみなさんおっしゃったように、強制的に見せるという言葉は悪いかもしれませんが、
多くの人に確実に見てもらえる場として、タクシーの空間は非常に効果的な場だと思っています。
あの場で流すコンテンツが、10年、20年と続くうちに、
自然と「これを見た人はみんな『あれは良かった』と言うようになる」という風に
素晴らしいコンテンツになっていってほしいと願っていますね。
普通のテレビCMとは異なり、「誰が見ているのか」がはっきりわかる、
土日に出すのが効果的だと言われるような、特別なメディアになってほしいと思います。
ー野崎
遺り続けるものをつくりたいと思いました。令和の『徹子の部屋』になってほしいんです。
そのために、長く続けていける普遍的なフレームワークを意識しましたし、キャラもじわじわ見るほどに愛らしく感じられるクセのある存在を模索しました。
これから右肩上がりにブランドの価値が上がり、タクシーに乗るお客さまだけでなく、広告主のみなさまにもどんどん愛されるメディアになっていってほしいなと思います。
ー明石さん
やはり、長い間やっていくのを大事にしたいですね。
毎年「今年のラヴィさんはこんな感じか」と、季節を感じたり、シーズナルなトレンドを感じられるようなコンテンツが出てくると素敵ですよね。
コンテンツの質もそうですが、広告主さんとも長いお付き合いができるような関係を築きたいです。そして、人々に長く愛される存在になっていきたいなと思います。
ー眞井さん
このプロジェクトは本当に面白く、エキサイティングなものだと思っています。参画してくれるみなさんの情熱が、認められ、受け入れられるようなアウトプットを生み出せる場として、発展させていきたいです。まだ、この番組の放映開始から3ヶ月ですが、これからも認知と共感を広げていきたいなと思っています。
我々としても、継続的な努力を惜しまず、このプロジェクトを成功させるために、一丸となって取り組んでいきます。
▶︎Works
撮影: 宇佐見 彰太(dof)
構成・文:崎山ひかり(dof)
企業のブランドづくりへ。
“遺る”文化と価値をつくり続ける。
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角・トリスチームと語る、大島征夫。
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記念すべき今回は、創業者の…
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