心身ともにからっぽになれる場所。
CARAPPO立ち上げの裏側に迫る。
心身ともにからっぽになれる場所。
CARAPPO立ち上げの裏側に迫る。

2024年10月1日、株式会社スポーツオアシスが運営する、総合ウェルビーイング施設「CARAPPO 虎ノ門ヒルズ」が開業しました。CARAPPOは“Reset for Creative Life”というコンセプトのもと、『トレーニング、サウナ、メディテーション(瞑想)』の3つをすべて1つの施設内で体験いただくことができる施設。
今回のdof talkでは、CARAPPOの構想段階からプロジェクトをリードしたdof執行役員/ブランドディレクターの工藤拓真(以下、工藤)、クリエイティブやアートディレクションでブランドづくりを支えてくださったcanaria Inc.代表/クリエイティブ・ディレクターの徳田祐司さん(以下、徳田さん)、そしてCARAPPOの支配人を務めていらっしゃる株式会社スポーツオアシスの岩本孝士さん(以下、岩本さん)にCARAPPO立ち上げに向けたブランディング、企画の考え方や今後の展望を語ってもらいました。どふぞ、ご覧ください。
2024年10月1日、株式会社スポーツオアシスが運営する、総合ウェルビーイング施設「CARAPPO 虎ノ門ヒルズ」が開業しました。CARAPPOは“Reset for Creative Life”というコンセプトのもと、『トレーニング、サウナ、メディテーション(瞑想)』の3つをすべて1つの施設内で体験いただくことができる施設。
今回のdof talkでは、CARAPPOの構想段階からプロジェクトをリードしたdof執行役員/ブランドディレクターの工藤拓真(以下、工藤)、クリエイティブやアートディレクションでブランドづくりを支えてくださったcanaria Inc.代表/クリエイティブ・ディレクターの徳田祐司さん(以下、徳田さん)、そしてCARAPPOの支配人を務めていらっしゃる株式会社スポーツオアシスの岩本孝士さん(以下、岩本さん)にCARAPPO立ち上げに向けたブランディング、企画の考え方や今後の展望を語ってもらいました。どふぞ、ご覧ください。
東京のど真ん中で、
空っぽになれる場所を作りたい。

ーまずは読者のみなさんに向けて自己紹介をお願いできたらと思います。
岩本さん:CARAPPOの支配人をしております岩本です。CARAPPOに携わる前は、元々はスポーツオアシスにて店舗の運営をしておりました。その後、本部にて勤務していた際にCARAPPOプロジェクトの立ち上げが決まり、挙手をして参画することになりました。CARAPPOは企画構想だけでなく、支配人として運営にも携わっております。

徳田さん:canariaというデザインとブランディングの会社の代表を務めております徳田です。クリエイティブディレクターとデザイナーの両方をやっております。dofさんとは今回だけでなく、finetodayなどでもお仕事をご一緒してきました。dofさんが全体のプロジェクトの企画やプロデュースをするなかで、canariaはCARAPPOのデザインとブランディングを行なってきました。

ーありがとうございます。CARAPPOは当初、どのような狙いで始まったプロジェクトだったのでしょうか?
岩本さん:もともとは森ビルがこのSTATION TOWERを立ち上げる最初期の段階から動き始めたプロジェクトでした。森ビルは、このSTATION TOWERを「利用者の方々にとって、とても居心地のいい場所にしたい」という思いが非常に強かったそうです。そのために、前衛的なウェルネス施設を誘致したく、各社フィットネスクラブ運営企業に声かけしていたそうです。その一連として東急スポーツオアシスにもお声がけをいただき、CARAPPOプロジェクトが始まる流れとなりました。
工藤:そのお声掛けいただいた時から考えると、もう5-6年が経ちましたね。
当時、僕は前職の電通で働いていて、東急スポーツオアシスの社長からCARAPPOプロジェクトの話をいただきました。その時はまだ、CARAPPOという名前もコンセプトも決まっていなかったので、完全にゼロから考える形でした。
虎ノ門といえば東京のど真ん中です。そんな東京のど真ん中で「裸になれる場所を作りたい」というのがコンセプトになりました。それが競合コンペで通って、CARAPPOは始まりました。これはもう、5年以上も昔の話です。
テナント同士の競合コンペに勝ったものの、細かい要件の整理やコンセプト設計は必要でした。虎ノ門にテナントを持つからには、デザインとして美しくするのは前提として、体験価値もアップデートする必要があります。高級アパレルやハイブランドのテナントが入ってきても、全然力負けしないデザイン性を保ちながら、新しい体験価値をもったスポーツ施設を作りたかったのです。
そこで、新しい体験価値を創造できるようなキーワードを考えました。

▲ 都心の忙しなさも忘れられるCARAPPOのメディテーションスタジオ
岩本さん:それからは工藤さんとひたすらコンセプトについてディスカッションする日々が始まりました。話し合うなかで「余白」や「裸になる」というキーワードが浮かんできました。そこから更にキーワードを深掘りして、「空っぽ」という言葉に辿り着きました。
工藤:当初想定していたターゲット層は、創造性が求められるクリエイティブ職に就く仕事をするうえで、莫大な情報量を処理しているプロフェッショナルの方々に対して、一度リセットするような環境づくりをしたいという思いが生まれてきました。
ーなるほど。徳田さんは、「空っぽ」になるというキーワードを聞いてどのように思われましたか?
徳田さん:僕はCARAPPOという名前だけが決まっているタイミングでプロジェクトに参加しました。
いつも仕事をするとき、その仕事の前提条件を整理するところから始めます。
今回のCARAPPOの場合は、「虎ノ門STATION TOWERをクリエイティブパーソンが集まる場所にしたい」という森ビルさんの意向がありました。これが今回の仕事の前提条件となったわけです。
この設計意図に則ると、このSTATION TOWERには様々なクリエイターの方々が集まることになります。僕自身もデザイナーとしてクリエイティビティを求められる仕事をしていますが、こういう仕事は24時間ずっと仕事のことを考えなければいけないんです。家族といるときも、お風呂に入っているときも、電車で移動しているときも、常にアイデアを考えている。それがクリエイターという種族なんです。
そうやって、ず〜っと考え続けていると深い想像をするための「余白」が足りなくなってきます。ずっと仕事のことを考え続けていると、自分だけの時間がなくなってしまうんです。
そんなクリエイティブパーソンの方々に対して、この「CARAPPO」という場所で身体を動かしながら、一度自分をリセットする、空っぽにする、余白を作ってあげるという体験価値を提供できるのではないかな、と考えました。
このCARAPPOという施設では、あらゆるクリエイターが、とめどなく考え続けている思考を一度リセットできる。そんな”余白”を提供するような場所を作りたいという思いがありました。
ロゴ作りの背景に隠された、禅の思想。

▲ CARAPPOのエントランス
徳田さん:CARAPPOのロゴは「空っぽ」を示す概念なんです。このロゴには、右と左から穴が空いていますよね。だからたとえば、左の穴からこんがらがった思考を抱えた人が入ってくるんです。それが、このCARAPPOという円のなかに入ると、思考がリセットされる。
円のなかこそがCARAPPOであり、この円のなかではこんがらがってしまったものをリセットできる。そういう場所を作りたいという思いがありました。
ロゴのデザインに関しても、複雑にデコレーションしすぎるよりも、シンプルな記号に削ぎ落とした方が、CARAPPOの理念が伝わりやすいのではないかな、と思いました。
また、この「空っぽ」というコンセプトには仏教の「空」という概念も強く関わってきています。この「空」というのは、簡単にいうとすべてが自由ですべてが無限である、という考え方だそうです。この「空」の概念を非常にカジュアルに体感できる場所として、CARAPPOのコンセプトを決めました。
クリエイティブワークには無限性が必要になりますし、いくらこだわっても完璧には辿りつきません。だからこそ無限に没頭して、考え続ける必要性があります。
そんな自由と無限の2つの概念を表した「空」というコンセプトを込めたロゴを作りました。

▲ CARAPPOの館内案内図
ー岩本さんはそんなロゴの提案を受けてどのように思われましたか?
岩本さん:ロゴだけでなく、その先のストーリーまで含めたすごく印象的なグラフィックをご提案いただきましたね。
いまでも覚えていますが、渋谷ソラスタで打ち合わせした際に、CARAPPOのビジュアルを絵巻物で提示していただいたんです。その絵巻物には6つくらいのグラフィック案が提示されていたのですが、そのなかで一番際立っていたのがCARAPPOのロゴでした。
我々が感じていた思いがロゴに具現化されていて、それがお客様にも伝わる形に落とし込まれていました。今でもこのロゴを見るたびに、まさにCARAPPOの価値観を体現している良いロゴだと思います。
工藤:やはり振り返ってみると、今回のプロジェクトは体験価値をしっかりと施設内容に落とし込むのが非常に大変でしたね。施設のデザインを格好良くするのは当然として、その洗練されたデザインや世界観に見合うだけの体験価値を作るのが凄く大変だったように感じました。
森ビルさんと東急さんの両者が絡みあっていたので、総じてとにかくステークホルダーが多いプロジェクトでした。岩本さんが最後までしっかりと駆け抜けてくださったからこそかたちになったように思います。
岩本さん:いや、我ながら本当に粘りましたよね(笑)。
会社の形がプロジェクト進行中に変わったり、ステークホルダーも変わったりと、思わぬ変化が沢山ありました。それに伴い、何回か心が挫けそうになったりする場面もありました。
今日、実際にメディテーションやスパを皆さんに体験していただいてガッカリしなかったのであれば、このプロジェクトは成功させられたと言えるのではないでしょうか。

▲ 対談前、岩本さんのご案内で施設を体験
徳田さん:対談前に体験させていただきましたが、本当に素晴らしかったです。今日、実際にCARAPPOを体験して、僕が想定していた通りの体験が出来て嬉しかった。canariaとして我々が直接的にデザインを作るのはロゴだけで、CARAPPOの運営を実際に行うのは岩本さんを始めとしたCARAPPOスタッフの皆様にかかっています。しかし、僕が考えていたブランドのイメージや哲学がしっかりと体現された施設になっていたと思います。

▲ 開放的なパノラマに、充実の設備を備えたトレーニングルーム。 ユーザーのトレーニングウェアもCARAPPOの理念を体現するデザイン。
工藤:経営陣だけがブランドイメージを共有してるのではなく、トレーニング着を作る方々や建築家、受付のスタッフを含めて価値観が共有されていると感じました。
徳田さん:いい意味で、この施設をつくる過程で苦労は感じなかったんです。スタッフの皆様にリラックス感があるというか、等身大で接してきてくれている感じがするんです。「ここならリラックスできるな、空っぽになれるな」という安心感があるんですよね。そして、そのリラックスというのはダメ人間になる、堕落するという意味ではなく、それこそ空になるとか、リセットするという意味です。
これからのCARAPPOに期待すること。

ーでは最後に、今後CARAPPOがどうなって欲しいと思っているのかをお伺いしたいです。
工藤:僕はCARAPPOはファッショナブルなものではなく、もっと普遍的な価値になるべきだな、と思います。今回の施設はこうやって完成しましたが、別に日本だけじゃなくてもいいと思います。都市型で働いている場所ならどこでもできるんじゃないかな、と思いますね。世界中でこのようなスタイルが生まれても面白そうだな、と思っています。

▲ CARAPPOのエントランスではスムージーの提供も(有料)
徳田さん:CARAPPOがどこまでも日常のなかに組み込まれていって欲しいと思っています。僕は最近、Good Routineという言葉を使うのですが、そういうルーティンの中に組み込める新しいパーツであって欲しいですね。例えば、本屋さんみたいな感じです。蔦屋書店にいったら「学ぶ」ことにワクワクするし、カフェに行ったら「友達と話す」みたいなことにワクワクする。
CARAPPOにきたら「リラックス」することにワクワクできる。CARAPPOを施設というより概念として虎ノ門だけでなく至るところに作れるといいなぁ、と思います。

岩本さん:CARAPPOはこのスペックじゃないと成立しないものではなく、より概念的で柔軟性があるものだと思うんです。
このテナントの大きさだったから、結果としてHIITとかメディテーションプログラムを作りましたが、もしかしたらCARAPPOはより概念的に捉えて、場所に合わせて柔軟に姿を変えられるブランドかもしれません。
形を変えても「CARAPPO」という価値観に共感をいただけるのであれば、場所や機材のレベルに依存しない概念なのかな、と。
この虎ノ門を旗艦店としながら、ここから姿を変えていけるかもと考えると、ワクワクしています。

徳田さん:いいですね。リゾートやマンションも、日常の延長にあるものだから、そこにCARAPPOを落とし込めたら楽しそうです。
岩本さん:これからも末長く続いていくブランドにしていきたいと思います。今後の展望に、ご期待ください。

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